アルゴリズム的情報理論

アルゴリズム的情報理論について日本語で触れられている書物を,思い出せる範囲でまとめておきましょう.

日経サイエンス 2006年6月号
「ゲーデルを超えて オメガ数が示す数学の限界」
2006年なので,私が修士2年の時に読んだもの.
たぶん,この記事でランダムネスの理論を知った.

まずは,チャイティンの本
『数学の限界 』(2001)
『セクシーな数学―ゲーデルから芸術・科学まで』(2003)
『知の限界』(2006)
『メタマス!―オメガをめぐる数学の冒険』(2007)
やはり,こういう広報は重要だと感じる.

あと,ランダムの方向性から,触れられているものとして,
『ランダム―数学における偶然と秩序』ベルトラミ(2002)の第4章

情報の方向性から,
『インフォメーション: 情報技術の人類史』の第12章

数学的な解説としては,
渡辺治『計算論から見たランダムネス』(2006)

私の『ランダムネスの一般化』
などでしょうか.

他にもあったと思いますが,思い出したら,気がついたら,加えます.

乱雑性とは何か

『インフォメーション: 情報技術の人類史』(ジェイムズ グリック)の
第12章 乱雑性とは何か
から,先人たちの言葉を抜き出してみる.

「なんだか,型がだんだん見えづらくなっている気がするんだけど,そう思わない?」(マイケル・カニンガム2005)

「確率は時間と同様に人間が発明した概念であり,人間は確率に付随する曖昧さの責任を負わなくてはならない」(ホイーラー)

「偶然は,われわれの無知の唯一の物差しだ」(ポアンカレ)

「偶発性の現象とは,その定義からして,われわれの知らぬ法則を有するもののことである」
 この定義は間然するところのないものであろうか?カルデアの羊飼いが星の動きを見守っていたとき,
 天文学の法則はまだ知らなかったわけだが,星が乱雑に動くと言えることを夢見ただろうか?」(ポアンカレ)

「乱雑な数字を生み出す算術的手法を考察する者は誰でも,当然のことながら罪にまみれている」(フォン・ノイマン)

「不完全性と計算不可能性と,さらにはアルゴリズム的乱雑性にもかかわらず,数学者たちは究極の確実性をあきらめたくないのだ.なぜか?
 そう,究極の確実性は神のごときものだからだ」(チャイティン)

「今まで発見されてきた科学の法則は,宇宙に関する大量の経験データの要約として見ることができる.
 現在の文脈では,個々のそういう法則は,その法則のもととなる経験データの簡潔な符号化という手法へ変容させられる」(ソロモノフ)

リニューアル

このたび、サイトをリニューアルすることにしました。
手書きで作ってもらったサイトから、Drupalにして、さらにWordpressに変更です。
もう変更しなくても良いことを切に願いします。

2010年12月28日
CMSのシステムをWordpressに変更
2010年9月10日
システムをDrupalに変更
2009年9月4日
最初にウェブサイトができる