ランダムの概念について

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2012年9月20日 スライドを修正および講義録をアップロード

タイトル
ランダムの概念について
-ランダムの概念はどう使えるか
-ランダムの概念はどう発展してきたか

種類
講義

発表場所
数学基礎論サマースクール 2012
計算可能性とランダムネス
http://www2.odn.ne.jp/tadaki/LSS2012.html
日本数学会 数学基礎論および歴史分科会主催
東京工業大学
2012 年 9 月 4 日 (火) ~ 9 月 7 日 (金)

アブストラクト
*ランダムの概念はどう使えるか (宮部 賢志)
ランダムには「使えない」というイメージがある反面,
乱択アルゴリズムに代表されるように「使える」ものでもある.
本講義では「ランダム=うまく振る舞う=収束」という見方が
数学的に正当化できることを説明する.例として挙げるのは,
ランダムの概念の微分可能性による特徴付けと,エルゴード定理
による特徴付けである.この2つは,ランダムネスの解析への
応用として,最近特に活発に研究されている.また,上記の
見方の応用として,正規数の構成問題についても触れる.

*ランダムの概念はどう発展してきたか (宮部 賢志)
ランダム,確率,予測などの概念は互いに密接に関係している.
また,分類,推定,相関などの概念も関係が深い.実際,
ランダムネスの理論が現れたことにより,それに関連する概念の
見方に影響を与えている.本講義では,まず確率およびランダム
に対する見方の歴史を紹介し,ランダムネスの理論の影響を受けて
それらの見方がどう変わり,それが数学的にどう定式化されようと
したか,またそれらが抱えている問題点などについて説明する.

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講義録

ゲーム論的確率論入門

タイトル
ゲーム論的確率論入門

種類
口頭発表

発表場所
第29回記号論理と情報科学研究集会 (SLACS 2012)
2011年9月15日(土) ~ 9月16日(日)
京都産業大学むすびわざ館

アブストラクト
ゲーム論的確率論では測度を使わずに確率の理論を展開する.
その手法はランダムネスの理論に強く影響を受けており,
証明では多くの場面でアルゴリズムを作ることが要求される.
そこで何らかの形でコンピュータ科学にも参考になることを
期待して,ゲーム論的確率論の基本的な考え方を解説する.

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Schnorr triviality is equivalent to being a basis for tt-Schnorr randomness

タイトル
Schnorr triviality is equivalent to being a basis for tt-Schnorr randomness

種類
口頭発表

発表場所
Seventh International Conference on Computability, Complexity and Randomness (CCR 2012)
2-6 July 2012, Cambridge, Great Britain
Isaac Newton Institute

アブストラクト
ランダムの概念として最も有名なMartin-L\”ofランダムネスは,
テスト,複雑性,マルチンゲールなどにより特徴付けられる.
一方,ランダムではない(遠い)という概念として,
low,trivial,basisなどの概念が存在し,
これらが同値になる事が知られている.(Nies 2005, Hirschfeldt et al. 2007)
このSchnorrランダムネス版について,適当な相対化を行えば,
lowとtrivialは同値になる.(Franklin-Stephan 2010)
一方,basisによる(自然な)同値な定義は知られていなかった.
本講演では,basisによる特徴付けなど,
Schnorr trivialityに関するいくつかの新しい結果を紹介する.

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